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 以下は、大会開催にあたって全学会員に、開催の趣旨やテーマについて説明したものです。これにもとづいて、学会員は報告の希望を提出しています。




 国際経済学会第58回(1999年)全国大会・共通論題


テーマ:世界的経済危機の現状と展望
     
(これは後にグローバル経済危機と変更された)
 @現代の世界的経済危機の性格
 A国際金融通貨危機の構造
 B世界的経済危機と日本
テーマを取り上げたねらい
 1997年夏に始まったアジアの金融・通貨危機は、1998年を通じて世界全域に波及する様相を呈した。アジアと同様、世界からの潤沢な資本の供給を受けて発展してきたラテン・アメリカやロシアは、再びその発展の基盤の弱さも露呈することになった。世界経済の相互依存が深まれば深まるほど、成長の連鎖を生み出すとともに、同時にその一部に生じた困難が世界的に波及する可能性も高めている。
 この危機が発生するまでは、それとは対照的な過程が長期にわたって続いていた。1970年代に始まり80年代に本格的に展開されたアジアの輸出志向工業化は、多くの途上国の対外開放への動きを促進し、また旧社会主義国の市場経済化を進めた。この意味で世界は、成長の連鎖の過程を経験し、その成果を全体として享受してきたのである。

 ところで、アジアから世界に波及した危機に対して、困難に陥った金融機関や国に対する、各国内および各国間の対応はきわめて早かった。戦後の長期にわたって発展し続けてきた国際協調のシステムは、それが危機的な展開になるのを事前に防ぐことに、今のところ成功している。
 この過程で、国として重要な役割を果たしたのは、順調な景気拡大を続けているアメリカであった。日本はなおバブル期の後遺症を克服できず、また伝統的な経済システムの改革にも十分には成功していない。日本が改革に成功するかどうかは、現在の過程の展開に重要な影響を与えるだろう。
 以上のように、今日の世界的な経済危機は、1930年代の世界恐慌の単なる再現ではなく、新しい時代の特徴を色濃くもっている。戦間期の危機は、世界を分断しブロック化に追い込んだ。21世紀にむけて本格的に展開している情報通信革命は、各国間の相互依存をあらゆる面において高め、危機の連鎖的な展開の条件も生み出すが、またそれへの国境を越えた対応も可能にしている。

 1900年代最後の年となる今(1999)年度の国際経済学会全国大会では、世界的な経済危機の現状と展望について、歴史的な相互比較を念頭において包括的に検討することを課題としたい。この課題の検討をつうじて、現在の危機が悪循環をもたらすか、あるいは21世紀の新しい経済システムへの発展の準備過程となるかを明らかにするができるだろう。
 具体的には以下のような共通論題を取り上げたい。まず第1の論題では、今日の世界的な危機の性格を、歴史的な相互比較も含め、実体面と金融面の両方にわたって解明する。第2の論題では、金融と通貨の領域での諸問題にとくに焦点を合わせて、問題の所在を明らかにする。最後に第3の論題では、この過程の展開に重大な影響を及ぼすに違いない日本の役割について検討したい。
                                                                  以上



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